「ビジュアルプログラミングって、普通のプログラミングと違うの?」
「年長から始めている子がいるって聞くけど、どうなの?」
「パズルみたいにプログラミングが学べるって本当?」
実は、小学生や未就学児でも楽しくプログラミングを学べる方法があるんです。
それが「ビジュアルプログラミング」。
未就学児や小学生向けのプログラミング教育では、ビジュアルプログラミングがよく使われています。
このビジュアルプログラミングとは、一般的に言われているプログラミングとはどう違うのでしょうか?
今回は、プログラミング教育で注目されているビジュアルプログラミングについて、ママ目線でわかりやすく解説します。
この記事を書いた人
ビジュアルプログラミングって何?
「見える」「触れる」プログラミング
ビジュアルプログラミング言語とは、見た目だけでわかりやすいアイコンやマークで操作ができるプログラミング言語です。
一般的に大人がイメージする本格的なプログラミングのように英語の文字列を打ち込むのではありません。
色とりどりのブロックやアイコンを画面上で動かして、プログラムを作るツールです。
そのため、未就学児や小学生など、初めてプログラミングをやってみる方にピッタリなのです。
子どもにとって最適な理由
パソコンであればマウス、タブレットであれば指で動かして操作をします。
文字をキーボードで打ち込むことに不慣れな小学生でも、簡単に使うことができます。
- 文字を打つ必要がない:マウスや指の操作だけでプログラミングができます
- 視覚的でわかりやすい:ブロックの色や形で直感的に理解できる
- 即座に結果が見える:作ったプログラムがすぐに画面上で動く

パズルを組み立てる感覚から始められるのは、子供にとっても始めやすいですね。
ビジュアルプログラミングの3つのタイプ
1. ブロックタイプ(最も一般的)
ビジュアルプログラミングで最も一般的なのが、Scratch(スクラッチ)でもおなじみのブロックタイプです。
ブロックタイプの場合、指示の書かれた小さなブロックをつなぎ合わせてプログラミングします。
代表例:Scratch(スクラッチ)
- 「10歩動かす」「こんにちは!と言う」などの指示が書かれたブロック
- レゴブロックのように組み合わせてプログラム作成
- 世界中で最も使われている子ども向けプログラミングツール
2. 独自ルールタイプ
代表例:Viscuit(ビスケット)
Viscuitは「メガネ」という独自の仕組みを使って、プログラミングをしていきます。
具体的には、自由に描いたイラストを画面右上にあるメガネの部分に置いて「どのように動かしたいのか」簡単に指示することができます。
このViscuitは対象年齢が4歳以上となっており、小さなお子さんが楽しんで使えるように工夫されています。
- 文字が読めない未就学児でも使える
- 絵を描いて動かすことに特化
- より直感的で芸術的
3. アイコン・フローチャートタイプ
特徴
- 図形やアイコンを矢印でつないでプログラム作成
- 処理の流れが視覚的に分かりやすい
- 中〜高学年向け
人気のビジュアルプログラミングツール紹介
Scratch(スクラッチ):世界標準の学習ツール
Scratch(スクラッチ)は、アメリカ・マサチューセッツ工科大学のメディアラボが無償で公開しているビジュアルプログラミングツールです。
画面上のブロックをつなぎ合わせてプログラムを作っていきます。
もちろん、日本語で使用できます。
おすすめポイント
- 無料でインターネットがあれば誰でも利用可能
- 日本語対応で子どもにも分かりやすい
- 作品共有機能で世界中の子どもたちと作品を共有できる
作れるもの
- ゲーム(シューティング、アクション、パズル)
- アニメーション作品
- 物語の作成
Viscuit(ビスケット):最も直感的な入門ツール
Viscuitは、スマホ用、タブレット用のアプリがあるほか、パソコンのブラウザ上でも利用できます。
また、学校向けにオフラインで動作するWindows版の配布も始まっているようです。
このツールは日本人によって開発されました。
おすすめポイント
- 4歳から使える超入門向け
- 文字が読めなくても大丈夫
- タブレットやブラウザでも使えるため、場所を選ばない
作れるもの
- 動く絵本
- 簡単なアニメーション
- アート作品

学校現場でも使われていて有名なのはやはり「Scratch」ですね。おうちでもすぐに始められる無料ツールです。
ビジュアルプログラミングのメリット
1. 学習のハードルが低い
Scratch(スクラッチ)のようなツールでは、あらかじめ用意されたブロックを組み合わせてプログラミングしていきます。
テキストを入力することがほとんどなく、簡単な操作でプログラミングができます。
2. 即座に結果が見える
作ったプログラムを実行すれば、すぐにキャラクター(初期状態はネコ)が動きます。
すぐに画面上で試せるので、子どもの学習意欲が続きやすいのも特徴です。
3. 創造性と論理性の両方を育てる
- 創造性:自由にキャラクターや背景を作成
- 論理性:「もし〜なら〜する」といった条件分岐の理解
- 問題解決力:思った通りに動かないときの原因を考えて修正する力
4. 段階的な学習が可能
- 初級:キャラクターを動かす
- 中級:ゲームを作る
- 上級:複雑なアニメーションや物語を作成

ブロックを並べて実行すると、どう動くのかがすぐに見えるので、「こうすればどうなるかな?」と楽しく学習できますよね。
デメリットや注意点も知っておこう
1. 複雑な処理には限界がある
高度で複雑な処理には向いていません。
また、他のプログラミング言語との互換性がないなどの問題から、手の込んだゲームを作るのは難しいです。
基本的には、シンプルなプログラムやゲームの作成で使ってみましょう。
2. 画面時間の管理が必要
楽しすぎて長時間やってしまうことがあるため、適切な時間管理が重要になります。

楽しく学習できる分、時間の管理が大切になります。ゲームもそうですが、時間を決めて取り組むのをおすすめします。
家庭での始め方:今日からできる3ステップ
ステップ1:まずは体験してみよう
Scratchから始める場合
- パソコンまたはタブレットでインターネットに接続
- 「scratch.mit.edu」にアクセス
- 「作る」ボタンをクリック
- チュートリアルを見ながら猫を動かしてみる
Viscuitから始める場合
- スマホやタブレットに「Viscuit」アプリをダウンロード
- 簡単な絵を描いてみる
- 「メガネ」機能で絵を動かしてみる
ステップ2:親子で一緒に作品作り
いきなり難しいシューティングゲームなどに挑戦しようとすると、よく理解できなくて難しいものだと感じてしまうかもしれません。
簡単に操作ができる範囲の制作から始めてみましょう。
最初の作品におすすめ
- お散歩ゲーム:キャラクターを矢印キーで動かす
- 自己紹介アニメ:好きなものを紹介する短いアニメ
- 簡単なクイズ:家族についての三択クイズ
ステップ3:作品を共有して達成感を味わう
- Scratchの場合:作品を公開して世界中の人に見てもらう
- 家族や友達に見せて感想をもらう
- 改良点を話し合って作品をバージョンアップ
年齢別おすすめの始め方
4〜6歳(未就学児)
おすすめツール:Viscuit(ビスケット)
始め方
- まずは絵を描くことから
- 「魚が泳ぐ」「花が咲く」など単純な動きから
- 親が一緒に操作しながらサポート
小学1〜3年生
おすすめツール:Scratch Jr.(簡易版Scratch)
始め方
- キャラクターを歩かせる
- 音を出す、色を変える
- 簡単な物語作り
小学4年生以上
おすすめツール:Scratch(フル版)
始め方
- 本格的なゲーム作成
- 条件分岐や繰り返しの理解
- オリジナル作品の公開

お子さんの年齢に合ったツールからぜひ始めてみましょう!
保護者のサポートのコツ
1. 「教える」より「一緒に発見する」
「こうしなさい」ではなく「どうなると思う?」「やってみよう!」の姿勢で楽しく取り組んでいきましょう。
2. 失敗を歓迎する
「バグ(プログラムの不具合)が出るのは成長している証拠!」と前向きに捉えていきましょう。
3. 作品を褒める時のポイント
「きれい」「面白い」だけでなく、「この動きをどうやって作ったの?」「ここの工夫がこう素晴らしいね」と具体的に褒めてあげましょう。
4. 時間の区切りを大切に
- 1回30分〜1時間程度
- 休憩を挟みながら
- 目の健康にも配慮

子供が楽しく学習できることが一番大切です。子供の楽しんでいる姿をサポートしてあげたいですね。
まとめ:ビジュアルプログラミングは未来への扉
ビジュアルプログラミングはまだまだ知らない、馴染みのない保護者の方も多いです。
ビジュアルプログラミングから得られるもの
- 論理的思考力:順序立てて考える力
- 問題解決力:困ったときに原因を探し解決する力
- 創造性:自由な発想でオリジナル作品を作る力
- 表現力:自分のアイデアを形にする力
今日から始められる理由
- 無料で始められる
- 特別な準備は不要(パソコンまたはタブレットがあればOK)
- 子どものペースで進められる
- 親子で楽しめる内容
ビジュアルプログラミングは、「プログラミング」という言葉からイメージする難しさとは全く違う、楽しい創作活動です。
お子さんの「やってみたい!」という気持ちを大切に、新しい挑戦をしてみませんか?
きっと、お子さんの新たな才能や可能性を発見できるはずです。
プログラミング教室に通う前の準備としても、家庭学習の一環としても、ビジュアルプログラミングは最高のスタートになりますよ。

「もっと早く始めればよかった!」と後悔しないためにも、少しでも気になったらプログラミング教育を始めてみてくださいね。お子さんのミライのスキルの第一歩です。

