「プログラミング教育って必要なの?」
「うちの子にはまだ早い?」
「何から始めればいいの?」
そんな風に悩んでいるママ、きっと多いですよね。
その気持ち、とてもよくわかります。
IT業界でシステムエンジニアとして働いてきた私でも、いざ自分の子どもにプログラミングを教えるとなると、「親としてどうしたらいいの?」と悩むことばかりでした。
今日は、SEとして、そして小学生の子どもを持つママとして、本当に子どもに必要なプログラミング教育についてお話ししたいと思います。
私がプログラミング教育に取り組み始めたきっかけ
まず、簡単に自己紹介をさせてください。
私は大学卒業後、新卒でIT業界に入社し、SIer(システム開発会社)で5年間、Webアプリケーションやデータベース設計の開発SEを経験しました。
その後、産後は転職をして小売業でDX(デジタルトランスフォーメーション)担当SEとして、社内システムの改善や新規システムの導入に携わっていました。
技術的には、Java、C#、Python、SQL、HTML、JavaScript…などを使った開発経験があり、最近はAIやクラウド技術にも関わる機会が増えています。
そんな私が子どものプログラミング教育について真剣に考え始めたのは、うちの子どもがいよいよ小学生になるという年長のタイミングでした。
「ママはお仕事でコンピューターを使ってるの?」
うちの子供のこの一言がきっかけでした。
私は在宅でも仕事をしており、パソコンを使っている姿は子供にとって見慣れたものだったと思います。
私の仕事について説明していると、子供が目をキラキラさせて聞いてくれて。
その時に気づいたんです。
子どもたちが大人になる頃には、今よりもっとテクノロジーが身近になっている。
だったら、早いうちから「コンピューターと仲良くなる方法」を教えてあげれば、必ず役に立つはずだと。
ただし、SEとして働いてきた経験から言えるのは、プログラミング教育で本当に大切なのは「コードを書けること」ではないということです。
実際に始めてみて分かった「プログラミング教育の本当の価値」
レゴが大好きなうちの子供が夢中になれるだろうと、レゴエデュケーション教材を使っているプログラミング教室へ通い始めました。
最初の数ヶ月は、私も子供も試行錯誤の連続でした。
子供がレッスンを受けている様子を見ていると、一生懸命にレゴを動かそうと頑張る姿が見られました。
「なんで思った通りに動かないの?」
「ここのブロック、どこに置けばいいの?」
うちの子供が困っている様子を見ていて、SEとしての私も改めて気づいたことがあります。
プログラミングで一番大切なのは、論理的に考える力と、問題を小さく分けて解決する力。
そして、うまくいかない時に「なぜ?」を考える習慣。
最初はレゴの車がぐるぐる回ってしまって、思った通りに動きませんでした。
「なんで回っちゃうんだろうね?」と一緒に考えてみると、子供なりに「右に動かすブロックと左に動かすブロックが両方あるからかも?」と気づいたんです。
この「なぜ?」を考えて、「原因はこれかも?」と仮説を立てて、「じゃあこうしてみよう」と試してみる。
これって、まさにプログラミングの基本的な考え方なんですよね。
そして何より、子供の「できた!」という達成感と自信を見ているのが、親として本当に嬉しい瞬間です。
SEママが考える「本当に必要なプログラミング教育」とは?
SEとして、そして母親として、子供に本当に必要だと思うプログラミング教育をまとめてみました。
1. コードを書くことよりも「考える力」を育てる
私もそうですが、開発系SEの仕事で一番時間をかけているのは、実はコードを書くことではありません。
- 「何を解決、改善すべきか」を顧客から正確にヒアリングする
- 「何をどう作るべきか?」を整理する
- 「どんな順序で作ればいいか?」を計画する
- 「うまくいかない原因は何か?」を分析する
こうした論理的思考や問題解決能力こそ、プログラミング教育で身につけてほしい力です。
私は開発だけでなくコンサルの業務にも携わったことがあり、これらの能力は大いに活かされたことを実感しています。
2. 失敗を怖がらない「試行錯誤する力」を身につける
システム開発の現場では、一発で完璧に動くコードを書けることは、天才でもない限りほとんどありません。
エラーが出たり、思った通りに動かなかったりするのが当たり前。
大切なのは、失敗したときに「なぜ?」を考えて、改善する力です。
うちの子供も最初は「エラーが出た!」と泣きそうになっていましたが、今では「あ、また変な動きになっちゃった。どこが違うかな?」と考えるようになりました。
根気強くエラーの原因を追究して改善することも大切なスキルです。
そして、このエラーを解決できた時の小さな成功体験の積み重ねが自信になるのです。
3. 「作る喜び」「創造する楽しさ」を体験させる
プログラミングの本質は「0から1を作り出すこと」です。
うちの子供が初めて自分でレゴを動かした時、「ママ、見て!できた!」と嬉しそうに見せてくれた時の笑顔を見て、これがプログラミング教育の一番の価値だと確信しました。
年齢別・レベル別の具体的なアクション提案
では、実際に「何から始めればいいの?」という疑問にお答えします。
小学校低学年(6-8歳):遊び感覚で論理的思考を身につける
おすすめツール
- Scratch Jr(タブレット用)
- プログラミング的思考を育てる絵本
- ブロック遊びやパズル
文字が読めなくても直感的に操作できるのがポイントです。
小学校中学年(9-10歳):本格的なプログラミング思考を学ぶ
おすすめツール
- Scratch(PC版)
- Hour of Code
- ロボットプログラミング教材
この年齢になると、「変数」「条件分岐」「繰り返し」といった、プログラミングの基本概念に触れていきましょう。説明よりも「実際に動かして実感する」ことを大切にしています。
小学校高学年(11-12歳):より実践的なスキルへ
おすすめツール
- Scratch上級編(関数や配列の概念)
- Minecraft Education Edition
- 簡単なテキストプログラミング言語(Pythonなど)
本格的な言語に関しては急いで取り組む必要はありません。子供の興味に合わせて挑戦してみると良いでしょう。
よくある保護者の不安にSEママがお答えします
Q. 「私はプログラミングが全然分からないので、子どもに教えられません」
A. 子供にすべてを教えてあげようとしなくても大丈夫です。
実は、一緒に学ぶ姿勢が一番大切です。
子供の方が新しいことを覚えるのが早いので、むしろ私たち親は「サポート役」に回る方がうまくいきますよ。
Q. 「プログラミング教室に通わせた方がいいですか?」
A. 必ずしも必要ではありませんが、環境によってはとても有効です。
私の経験上、以下の場合は教室を検討してもいいかもしれません。
- 子どもが一人だとなかなか続かない
- 親が一緒に時間を取るのが難しい
- 他の子どもたちと一緒に学ぶ環境を作りたい
Q. 「将来プログラマーになってほしいわけではないのですが…」
A. 私も同じ気持ちです。
プログラミング教育の目標は、プログラマーを育てることではありません。
どんな職業に就いても役立つ論理的思考力、問題解決能力、創造力を身につけることが目的です。
これらの力はどんな仕事でも必要になる能力でしょう。
まとめ:一番大切なのは「一緒に楽しむこと」
SEとして、そして母親として私が一番伝えたいのは、プログラミング教育で一番大切なのは「一緒に楽しむこと」だということです。
「うちの子にはまだ早いかも」「私には教えられないかも」と不安に思っているママも多いと思いかもしれませんが、完璧である必要はありません。
まずは一緒にScratchを触ってみる、プログラミング系の絵本を読んでみる、そんな小さなステップから始めてみてください。
子どもたちの「できた!」という笑顔を見ることができたら、それがプログラミング教育の大きな第一歩です。
一緒に子どもたちの未来を応援していきましょう!